2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2012/02/29

「伝説の劇画師 植木金矢展」@弥生美術館。戦後少年たちのチャンバラ愛好は、東映時代劇を観ることにとどまらない。スターたちが「主演」するチャンバラ漫画を読むことが、映画を観るよりずっと安くて、しかも血湧き肉踊る娯楽だった。スクリーンと同じく、…

2012/02/28

15年か20年ぐらい前のことだったか、本屋で伊豆の旅行ガイドを買おうとして開いてみたら、天城には5つの温泉郷があると記されていた。しかし、別のガイドには6つあると書かれている。どうして一つ多いのか。後者は「日活温泉」という謎の温泉郷をカウントし…

2012/02/27

『さあ帰ろう、ペダルをこいで』(ステファン・コマンダレフ)@シネマート六本木。合作だが実質的にはブルガリア映画。冒頭はドイツ。交通事故で両親を失い自身も記憶喪失になった入院中の青年を、ブルガリアからやってきた祖父が連れて帰ろうとする。この…

2012/02/25

ジャクソン・ポロック展も観たが、とにかく「原弘と東京国立近代美術館」展@竹橋。原弘は今のフィルムセンターの場所にあった頃の国立近代美術館のポスターを軒並み手がけていた。どのポスターも、場所の説明は「京橋交叉点際」のみ。これで分かったんだろ…

2012/02/24

2007年1月20日。フォーリーブスの主演映画『急げ!若者』の上映は語り草になっている。『急げ!若者』はソフト化されておらず、フォーリーブスのファンの方々にとっていわば伝説の映画になっていた。しかもこの日は偶然、北公次さんの誕生日だった。フィルム…

2012/02/23

わが保存庫がある相模原の淵野辺では、JAXA(宇宙航空研究開発機構)のお膝元というだけで、居酒屋もケーキ屋もうなぎ屋もみな「はやぶさ」にあやかった商品を出しているらしい。肉屋さんに至っては、茶色で長くて表面がごつごつしているからといって、いつ…

2012/02/22

試写メモ。『ル・アーブルの靴みがき』(アキ・カウリスマキ)。映画でル・アーブルの港といえば、私などはやっぱりデュヴィヴィエの『商船テナシチー』あたりが思い浮かぶのだが、この堂々のカウリスマキ節の中で目指されているのは、案外「詩的レアリスム…

2012/02/20

やっと「木村栄文レトロスペクティブ」へ出勤できた。『鳳仙花 近く遥かな歌声』(1980年)は、日本と韓国の演歌のルーツや影響関係を探る、などと書くと堅い感じがするが、とにかく美空ひばりやら金素雲やら高木東六やら「エレジーの女王」李美子、やや酩酊…

2012/02/18

ラウンジトーク、無事終了。京都からわざわざ来られた方も2名いらっしゃって恐縮。聞き手の仕事、慣れたようでも頭が混乱する時があったりして猛省。岡田桑三がソ連でいちばん親交を結んだのは、エイゼンシュテインやプドフキンら監督たちよりむしろ撮影のエ…

2012/02/17

恵比寿映像祭、岡田一男さんとのラウンジトークは明日です。科学映画、そして東京シネマという超孤高のプロダクションに関心のある方は是非どうぞ。ここ2日ほど、クリス・マルケルの『音楽を聴く猫』を何度も繰り返し観ている。フェデリコ・モンポウの曲も脳…

2012/02/15

犬のアギーくんも金の首輪賞を受けて、ますます高まる『アーティスト』熱。当ブログは現代の無声映画『アーティスト』を応援します。4月7日公開。http://artist.gaga.ne.jp/先月26日にお亡くなりになった時枝俊江監督。ある時期は幼児教育映画、ある時期は文…

2012/02/14

要するに今日は、うまそうなチョコレートを男も女も持ち寄ってみんなで食べる日、にすれば解決だろう?『NINIFUNI』(真利子哲也)@ユーロスペース。前半、強盗犯の宮崎将がさまよっているあたりは退屈だが、その退屈も野心に見えるぐらいには画面に力があ…

2012/02/13

あるお仕事のため、終日竹橋方面へ。お昼の時間、神保町方面を歩いてみた。石田書房の石田さんと路上でばったり。シネマ系印刷物のお城「ヴィンテージ」と「@ワンダー」へ。うろうろしているだけで勉強になる。夕方の終了後も再び神保町へ。まずは三省堂古…

2012/02/12

疲労回復のため昼前まで寝込み、午後から暮らしの諸事を片付ける。恵比寿映像祭で『なみのおと』(濱口竜介・酒井耕)。岩手県から福島県まで、あの津波をそれぞれ体験した人々の証言記録。今どきのドキュメンタリーでは稀な実践と思うが、イマジナリー・ラ…

2012/02/11

『少年と自転車』(ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ)。この映画での自転車は、少年が所有する単なる乗り物ではない。親に捨てられ、人を信じず、口数の少ない少年の、感情表現の手段である。少年の失望も怒りも期待も、そしてラストシーンの絶望的…

2012/02/10

何はともあれ「恵比寿映像祭」はじまる。いつもは現代美術作家の映像作品に不満たらたらの私だが、今回は全般に映像に力のある作品が多くて、コンセプトに溺れてはいない。最高だったのはマライケ・ファン・ヴァルメルダムという人の、16mmアブストラクト映…

2012/02/09

「映画芸術」のベストテン号も出たが、「ちいさなひとのえいががっこう」の2011年ベストテンにも参加しました。自分でも、これでいいのか?という選ですが、これでいいのだ。 http://yaplog.jp/eigagakkou/archive/176布川徹郎さん(あえて「監督」とは呼ば…

2012/02/08

某所にて、朝っぱらから蜘蛛の巣にまみれて、これもアーカイブの仕事。引き続き、細かい仕事が数珠つなぎ。

2012/02/07

今年に入っていちばん多忙な日。何をやっても終わらない。

2012/02/06

昨日と今日と、学生のレポート読みと採点に明け暮れる。映画も試写も諦める。一年間、フランス映画のことを話した。いちばん学生に人気が高かったのは『赤い風船』。次に『ぼくの伯父さん』と『シェルブールの雨傘』。ゴダールは思ったほど人気がない。今は…

2012/02/04

ギャラリートーク。いろんな種類のポスターの中でも、映画ポスターは納期がとても短く、そのくせ予算は潤沢ではない。そんな条件に縛られた中の、デザイナーの奮闘を読み取ってゆく。いわゆる基本の三原色をわざとカットして特色を乗せるとか、限定を逆手に…

2012/02/03

印刷博物館学芸員の寺本美奈子さんによる「日本の映画ポスター芸術」第1回ギャラリートークは明日午後。印刷のことを少しでも理解するとポスターの楽しみ倍増、が今回の展覧会を準備しての偽らぬ感慨です。

2012/02/02

池袋の古書往来坐が発行する話題のフリーペーパー「名画座かんぺ」、第2号が出たらしい。第1号は、往来坐のお客として無事ゲット。ここでいう「6大名画座」とは、二番館の色彩が強い劇場を除いた新文芸坐、神保町シアター、ラピュタ阿佐ヶ谷、フィルムセンタ…

2012/02/01

宣伝です。年ごとに企画が充実してゆく「恵比寿映像祭」、2009年はプログラマーを務めましたが、今回は日本の科学映画史に輝く孤高のプロダクション「東京シネマ」について、東京シネマ新社代表の岡田一男さんとラウンジトークを行います。2月18日(土)の13…