2012/02/12

疲労回復のため昼前まで寝込み、午後から暮らしの諸事を片付ける。

恵比寿映像祭で『なみのおと』(濱口竜介・酒井耕)。岩手県から福島県まで、あの津波をそれぞれ体験した人々の証言記録。今どきのドキュメンタリーでは稀な実践と思うが、イマジナリー・ラインを守った切り返しショットをベースに、正面からの切り返しも駆使して「語り」を余すところなく捕捉する。圧巻なのは、逆流する川の上を床板に乗って漂流し、九死に一生を得た東松島市の安倍夫妻の対話。途中からは震災証言を通り越して、もう愛のモニュメントに到達している。個々のインタビューはせんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」のアーカイブとして残されるという。これはもっと広く見られなければならない。

http://recorder311.smt.jp/

恵比寿映像祭の展示のうち、こないだ気になったものを再びじっくり見る。台湾ビデオ・アートの旗手ユェン・グァンミンの三面マルチスクリーンは、トラックアップとトラックバックに力があって飽きない。ヨハン・ルーフによる映画断片の継ぎ合わせ超高速作品も繰り返し見入ってしまう。ついフィルムエッジとパーフォレーション間信号ばかり見てしまうのは職業病だが。

http://www.johannlurf.net/zwoelfboxkaempfer/