2014-01-01から1年間の記事一覧

2014/05/06

《俳句同人 楕円》 句会の概要をお知らせします。日時:6月8日(日)13時〜18時 会場:カフェアリエ(元「新宿ホワイトハウス」)新宿区百人町1-1-8 03-3209-8686 http://cafearie.com 場所代なし、ただしお店に1200円以上のご注文が必要(例:珈琲500円とケ…

2014/05/05

アレクセイ・ゲルマン遺作『神様はつらい』。汚泥と吐瀉物と小便と血と内臓でどろどろの画面がほぼ3時間続く。知識人は全員殺され、愚者が愚者を襲うだけの世界なので、会話もまるで噛み合わない。単調極まりないが、ゲルマン本人はいまどのシーンを撮ってる…

2014/04/27

「岳人冠松次郎と学芸官中田俊造」展@北区飛鳥山博物館。この題だけではピンと来ないかも知れないが、れっきとした映画史の展覧会である。学術価値のある記録映画や教育映画をプロデュースした戦前の文部省官僚、彼の企画した山岳映画で未踏地を探索した名…

2014/04/23

最新ニュース。出る出ると噂されていた「日活100年史」がついに刊行! 1962年の「日活五十年史」から半世紀ぶり。じっくり眺めるのはこれからですが、今どきの映画会社社史らしくビジュアルを強化、あと何と言っても経営史の記述が強い! 読み物としてもかな…

2014/04/19

谷根千〈記憶の蔵〉の「映画ポスター市」初日へ。一望して、溜め息の出るような品がそこかしこに。『旅芸人の記録』ギリシャ版がある…。稀少度も加味して、そのほか今回の目玉はゴダール『イタリアにおける闘争』(デザインは長谷川元吉キャメラマン)と、『…

2014/04/15

「極意は? 映画タイトルデザイン」 展覧会初日の本日、夜の日本テレビ「NEWS ZERO」で赤松陽構造さんの仕事が取り上げられます。必見!

2014/04/11

映画を愛するネコはみなアンリ・ラングロワの留任を求める! ラングロワ解任事件(1968年)の頃に描かれた支持者の絵。 Vive Langlois ! Gouache de Basile Pasch 1968

2014/04/03

「群像」で連載された辻原登さんの「寂しい丘で狩りをする」が単行本化されました。講談社刊。フィルムセンターに勤める主人公・敦子が巻き込まれる戦慄のクライム・サスペンス! 突然、日本映画史上の固有名詞がどっと出てきてびっくりします。 http://book…

2014/03/30

「小津安二郎の図像学」は本日で会期終了。小津作品への思い入れの深い方々にも幾度となく接し、ひとりひとりの胸中にそれぞれの小津芸術の形があることも知った。小津は、まだまだ開かれてゆく映画作家である。自らに向けられる人間たちの視座をいまだ更新…

2014/03/29

1976年にフィルムセンターで行われたレクチャー、岸松雄の「小津安二郎交友録」音声資料紹介。死の3か月前、あらゆる療法を試してみたが治らない、今年は蓼科も行かない、という小津の焦りと慨嘆の言葉をただ一人伝えられる相手が、清水宏だったという事実。…

2014/03/23

「チェコの映画ポスター」@京都国立近代美術館にさっそく参上。それはそれでご来場をお待ちしてますが、同じコレクション・ギャラリーの他の展示が実はすごかった。グロテスクな女性画だらけで頭がくらくらしそうな甲斐庄楠音と、デザイナーズ・ブランドお…

2014/03/20

エジプト、シナイ半島の砂漠のど真ん中に作られた野外映画館! 奇矯なフランス人が突然思いついて設備を整えたはいいが、地元当局の許可が得られず、一度も上映しないまま野ざらしに。グーグルマップでも視認できるとのこと。 http://www.odditycentral.com/…

2014/03/16

吉田喜重監督のメキシコ体験を記した「メヒコ 歓ばしき隠喩」の、マチュー・カペルさんによるフランス語訳書が小西国際交流財団の「日仏翻訳文学賞」を受賞。おめでとうございます。それにしても、医科学分野の企業がこういう人文系の翻訳に賞を出していたな…

2014/03/15

昨日は終日、鎌倉にてみんなで資料整理作業。巨大な映画ポスターを高速で何百枚も拡げて整理した後のホッピーはうまい。曇天の由比ヶ浜にはカラスとトンビばかり。なんで縄とびの写真! アントワーヌ・ド・べックによるエリック・ロメール伝。

2014/03/12

二つの訃報。 社会主義チェコ映画にポップの花を咲かせたヴェラ・ヒティロヴァ監督が85歳で死去。情報はペトル・ホリーさんより。5月の『ひなぎく』リバイバルは追悼上映となります…。 大西巨人が97歳で死去。「神聖喜劇」を読み切ったひと夏のことが思い出…

2014/03/10

"Wales Because the Sun Would Shine" by Karen Peris (the innocence mission), from the album "Violet" (2013)

2014/03/09

本日は東京フィルメックスの「<「映画」の時間>『お早よう』を話そう〜親子鑑賞会」で、小津安二郎展の親子向け解説を務めた。とんかつ屋の灯入れ看板で記念写真を撮られる方もいてうれしかった。パリの野口久光展の仕掛人、根本隆一郎さんが現地に持参し…

2014/03/01

本日はイベントのダブルヘッダー。劇団みんわ座をお招きした写し絵ワークショップも「小津安二郎の映画美術―茺田辰雄の仕事」トークも熱が入った。さて、ついに情報リリース。 映画は文字だ! 手がけた題名デザイン約400作品、現代日本映画を支えてきた映画…

2014/02/23

『アデル、ブルーは熱い色』試写@シネマート六本木。主題は女と女の性愛だが、フランス映画の伝統に純然と連なる恋愛ビルドゥングスロマン。しかし、女をあえて「美しく」描こうとしない自然主義、顔のアップやバストショットの連続で3時間を語り切る力業は…

2014/02/17

『湖の見知らぬ男』@アンスティチュ・フランセ。すでに評判のアラン・ギロディ監督だが私は初見。美しい湖畔のハッテン場殺人事件。ショットと編集の織りなすフォルムに惹き込まれ、露骨なゲイセックスのシーンも心穏やかに見られてしまう。まあ、これを全…

2014/02/12

更新を止めた私の旧サイトの中でも、いまだに訪問者がいるらしい謎の“現役”ページ、「東京ベルギー・ビール専門店早見表」を4年ぶりに更新! よろしければご活用ください。最近はほとんど飲んでませんけどね。 http://users.ejnet.ne.jp/~manuke/zatsu/beer/…

2014/02/10

もう先月のことだが、試写『愛の渦』@シネマート六本木。深夜の乱交パーティに集った10人の男女による、性交まじりの会話劇。原作はポツドールの名戯曲だそうだが、演劇を映画に移し替える時の課題がくっきり出た。舞台の上では緊張感として捉えられる沈黙…

2014/02/02

『無人地帯』(藤原敏史)@ユーロスペース1。この作品の精神は土本典昭の言葉「記録なくして事実なし」に始まり、終わる。私たちはこれまで、おびただしい量の震災映像に触れてきた。見るなり暗澹たる気分にさせられる報道映像の瓦礫の群れにも。しかし、こ…

2014/01/25

「小津安二郎の図像学」展、国内各誌紙で取り上げていただき光栄ですが、どういうわけかフランス「カイエ・デュ・シネマ」の次号にも特集記事が載ることに。編集部とのスピーディなメールのやりとりが楽しかった。私自身かつて俳句をやっていたが、小津の俳…

2014/01/20

雑誌「映画技術」の1949年のある号に「映画劇場に於ける便器個数決定法の研究」という論文が…。書いたのは某大学の工学部教授で、数式もいっぱいある相当まじめな論文だった。この頃は映画も復興期、よっぽど映画館のトイレが混んでて頭に来たんだろう。 htt…

2014/01/19

ミハイル・ブルガーコフ「犬の心臓」最高。革命後すぐの混乱したモスクワの話なのだが、質感は現代小説そのもの。太田直子「字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記」へ。これ、映画書ベストテンに入れたかったな。かつて映画を学ばれ、その後西荻窪の「音羽館」にいら…

2014/01/16

ロベルト・ボラーニョ短篇集「通話」。この面白さ、どう言ったらいいんだろう。三文小説家、ならず者、絶望した女。どう見つめたらいいのか分からない遠い連中の生に、読んでる自分がいつの間にかふんわり包まれている。訳者の後書きでは「ウディ・アレンと…

2014/01/15

映画は横長だなんて誰が決めた? 来週、ロッテルダムで「垂直映画」の上映が。エルキ・フータモ先生の講演もあり。 http://www.verticalcinema.org/

2014/01/09

孤独に、勝手に、独断で、ひっそりと選ぶ2013年映画書ベストテン。例年のことですが、いまだ読めていない本だらけで網羅性はありません。また、主題性と着眼点に重きを置いた選考です。1 蓼科日記 抄(「蓼科日記」刊行会編) 2 ルイス・ブニュエル(四方田…

2014/01/04

「で、そのラングロワ氏ってのは一体誰なんだ?」シャルル・ド・ゴール(1968年)2014年はシネマテーク・フランセーズ創立者、「ラングロワ事件」で大統領もビビらせたアンリ・ラングロワの生誕百年。