2014/03/30

小津安二郎図像学」は本日で会期終了。小津作品への思い入れの深い方々にも幾度となく接し、ひとりひとりの胸中にそれぞれの小津芸術の形があることも知った。小津は、まだまだ開かれてゆく映画作家である。自らに向けられる人間たちの視座をいまだ更新させ続けるこの稀有な映像の体系を、これからも決して偏狭な場所に押し込めてはならない。この展覧会も、未来への宿題をどっさりもらいながら、宙吊りにされたところで終わったというのが実感だ。そして、一途に画面を創造することが情況と闘うことである、そのことの苛烈さをここまで味わわせてくれた人もいない。だから、小津映画を今後も粘り強く観続けることも、きっと闘うことなのだろうと信じている。一個人の感想ですが…。ご来場の皆さまありがとうございました。