2014/04/27

「岳人冠松次郎と学芸官中田俊造」展@北区飛鳥山博物館。この題だけではピンと来ないかも知れないが、れっきとした映画史の展覧会である。学術価値のある記録映画や教育映画をプロデュースした戦前の文部省官僚、彼の企画した山岳映画で未踏地を探索した名登山家、そして山岳記録映画の先駆的キャメラマン白井茂の業績を追った、学芸員さんの猛烈に深い調査が見える展示。フィルムセンター所蔵「白井茂旧蔵アルバム」からはがれていて不在の写真の現存先まで発見してくれている…。特に山の好きな方は必見かも。連休最終日の6日まで。ついでにお隣の渋沢史料館にも寄って(アルベール・カーン展以来かな)、渋沢栄一が創業者の一人だった帝国ホテルの歴史展。「実業家たちのおもてなし」なる正式な企画名は忘れよう。フランク・ロイド・ライト設計の新館の開館式当日に関東大震災が起きたのは有名な話で、その辺の資料も生々しいが、今日面白かったのは初代総料理長による手書きの分厚いレシピ本。こんな本をうやうやしくめくって牛肉焼いてたのか、と「文明開化」をひしひし感じられる資料であった。

さて、ある監督の表記に関する備忘録。実は「ドミー」だった時代が長かった。
ジャック・ドミー:日本初紹介の『シェルブールの雨傘』(1964)から
ジャック・ドゥミー:『ベルサイユのばら』(1979)から
ジャック・ドゥミ:『ローラ』初公開と『ジャック・ドゥミの少年期』(ともに1992)から