2014/02/23

アデル、ブルーは熱い色』試写@シネマート六本木。主題は女と女の性愛だが、フランス映画の伝統に純然と連なる恋愛ビルドゥングスロマン。しかし、女をあえて「美しく」描こうとしない自然主義、顔のアップやバストショットの連続で3時間を語り切る力業は、やはりデジタル時代の映画作り。あとスパゲッティ・ボロネーゼが無性に食べたくなる映画でもある。「青い髪の女」レア・セドゥは時にジェーン・バーキンにしか見えなかった…。

京都国立近代美術館のニュース「視る」に、同館では終了しましたが4月から東京国立近代美術館へ巡回する展覧会「映画をめぐる美術—マルセル・ブロータースから始める」についてのエッセイを寄稿しました。現代美術の論考は初めて。しかし、やればなんとかなるというのが今回の教訓。ブロータース論はほんの少しで、メインはミン・ウォンとシンディ・シャーマンです。

水木洋子展」@市川市文学ミュージアム。脚本家水木洋子の顕彰に努める市川市の粘り強い取り組みは讃辞に値するもので、昨年新装なった文学ミュージアムでの展示とあらば、もっと早く行くべきだった。今回は今井正からの手紙が面白く、自分の監督作ではない『裸の大将』については時間をかけていいものを書いてくださいと言いながら、自分の『純愛物語』の時は厳しい催促…。まあそういうものですね。あと『キクとイサム』の二人の子からの「エミちゃんとジョージが水木さんちの子供になりたい」という幼い書きぶりに感涙…。3月2日まで!