2012/01/25

それはないだろう、の一言しか出ない。テオ・アンゲロプロス、交通事故死。今の自分はアーキビストの端くれなので、どんな姿をしていようと映画は映画だと思うけれど、時に自分の精神を塗り替えてしまうほどの超越性を発揮するから今日まで映画を信じてこられたわけだ。そんな時真っ先に念頭に浮かぶのは、アンゲロプロスだった。彼の映画の中では、その土地ごとの固有性こそがヨーロッパであり、だからEU的な感性に対しては警戒しているようにも見えた。だから、今のこのギリシャで、彼にはまだやりたい仕事がたくさんあったと想像している。

ヤクセンボーレ! 『旅芸人の記録』と『狩人』と『シテール島への船出』を続けて一日で上映してくれる映画館はないものだろうか。