2011/09/11

渋谷へ行って「映画美学校セミナー」。まだ観ていなかった『国道20号線』が観られる機会ということもあって。市山尚三さんによる現代日本映画海外展開の20年史をお聴きした後、富田克也監督、深田晃司監督、宣伝の吉川正文さん、映画コーディネーターの小山内照太郎さんという最前線からの報告と討論。お話は、『サウダーヂ』のロカルノ出品の経緯から、爆笑のパウロ・ブランコ対面記、小山内さんが「カイエ・デュ・シネマ」で日本の自主映画の状況を報告した記事の意義(これは本当に面白いです)、深田さんが驚いたヨーロッパ自主映画との予算的落差、そこから現在のあまりに不健全な自主映画の製作環境をどう作り変えるか、さらには自主映画の作り手を横断するユニオン的組織の可能性まで、せっぱ詰まった意見が続出。要するに、どこから始めてもすぐ「日本映画の危機」の話に届いてしまうのだ。国内のマーケットがつぶれた現況で、人に搾取されない、そして自分も搾取に荷担しない自主映画をどう模索するか。そんな中で、何をするために外国に出てゆくのか。内容はそのうちネット上で発表されるそうなので、ご期待ください。