2011/09/12

映画メモ。『ゴモラ』@松竹試写室。5つのエピソードを絡めながら、ナポリ郊外に暗躍し、人々の生と死を支配するする犯罪組織の内幕を暴いた力作。と簡単にまとめてもいいのだが、『ゴッドファーザー』とかと違って組織の上層部が見えないのが、映画のクォリティとは別に怖い。たぶんカードで遊んでるオヤジどもが映画に写ってる中では力を握っているようだが、全体像はまるで分からない。しかし二人のハネ上がりのチンピラとか、産廃業者のオヤジとか、映画であることを忘れさせる説得力があり、世界を正しく絶望させる力を持った映画だ。ただ、日本側の宣伝ではなくてイタリアのジャーナリズムのせいだと思うが、社会問題を真っすぐ扱ってるからといって「ネオリアリズム」という語を軽く使わないでほしい。むしろこの映画はフランチェスコ・ロージの系譜である。

夜、知人が勤務しているJR武蔵境駅前の「武蔵野プレイス」を訪問。7月にオープンしたばかりの最新鋭の公共図書館で、一階の真ん中にカフェがあったりして居心地が良さそうである。地下にはティーンズ向けの空間があったが、ちゃんとティーンズが勉強していたり卓球をしていたり。あと、映画本の選択はかなりの健闘でした。