2011/07/04

昼前、外へ出たらかんかん照りだったが、突然強風が吹いたりする。講義はアンリ=ジョルジュ・クルーゾーと戦時下のフランス映画云々。『密告』のような話の入り組んだ映画を講義の枠内で解説するのは難しい。銀座に出て、メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランスでレイモン・サヴィニャックの小展示。この建物はフランスの美術館・博物館情報を提供するためにあるらしいが、リヨンのリュミエール協会のプログラムまであったのは意外。そこを出ると、お向かいにあるビルの画廊で久里洋二展をやっていたので、ふらりと入ってみる。画廊主の方と少し話し込んで楽しかった。

中央線でちょっぴり話題の、阿佐ヶ谷の新しい古書店「コンコ堂」へ行ってみた。店主は「音羽館」で修業された方だそうで、つまりは西荻ニューウェーブ系(と勝手に命名)の東方進出ということになろうか。まず100円コーナーの水準が高すぎてうろたえる。全部見ていたらなかなか店に入れない。店に入れないと暑くて汗だくだく。入ってみると店内は案外広々としていて、かかっている音楽はカリプソ、まだ木の匂いがしそうなフレッシュな本棚も涼しげだ。「ここにある本はどのジャンルでも分かっています」という感じの棚が頼もしく、また来たくなる。今日はバロウズ「ソフトマシーン」ほか文庫本だけ買って去る。ラピュタ阿佐ヶ谷に寄り、ロビーに飾られている『独立機関銃隊未だ射撃中』(1963年)のシナリオ最終ページを感慨深く読む。シナリオでは日本兵ソ連兵の友情が描かれているが、実際の映画ではそのままの撮影は認められなかったという。「TMPS」のマークが入った宝塚映画製作所の社員バッジにも感激した。

ブログでは、もうちょっと風通しのいい、気張らない文にしたい。ただ突っ走るしかない、とずっと思っていたが、今は自省の時のような気がする。