遅刻しました

高速地下鉄に乗って考え事をしていたら乗り過ごしてしまった。運の悪いことに、市内を抜けると10駅ぐらい飛ばして郊外へ直行する列車だった。新宿を出て明大前で乗り換えようと思ったのに調布まで行っちゃった感じ。あわててシネマテークへ「遅れます!」と謝りの電話。

去年「フランス映画の秘宝」上映会の時に来日したエミリー・コキさんの部署へ。フィルムの貸出・試写と対外普及事業を担当している。貸出の際は上映権の所有者の諒解だけで申請が可能だが、展覧会で映像を使うときなどの動画複製には企画の発案者(しばしば監督)、作曲家、脚本家を加えた4方面の許諾が必要になると聞いて驚く。今回はあらゆる場所で著作権論議に花が咲いた。少し時間が余ったので映画教育の部門まで見せていただいた。

まだちょくちょく顔を出すのだが、公式には本日でシネマテーク・フランセーズでの研修は終了である。非常勤職員のバッジをいただき、一か月もの間好き勝手にシネマテークのオフィスをうろうろさせてもらった経験の重さは計り知れない。彼らが私のために割いてくれた時間を思うと、自分が背負ったものの大きさを考えないわけにはゆかない。マリアンヌ・ド・フルリーさんが去り際の私にまた励ましの言葉をかけてくれた。初日にお会いしたきりのトゥビアナ館長も「えっ、もう一か月経ったの!」と驚いておられた。ええ、実はそうなんです。2005年の再開館でホールが3つになったことなど、シネマテークの上映面での充実は早くから語られていた。しかし、その真の質的発展は2007年のBIFIとの統合から始まったと私は結論したい。またそこから考えるに、映画を「作りたい人」と「観たい人」ばかりが目立つニホンの状況が不自然に思われてならない。

今日はわりと暖かい。夜、大好物であるメルゲス(焼きソーセージ)のクスクスを食す。が、食い切れなかった。