特別な一日

朝、ベルシーに来ていきなり知らされたのだが、シネマテーク統合前のBIFI前館長マルク・ヴェルネ氏が主宰する研究会があるというので午前中だけ参加した。今日が第1回だそうで、テーマは「映画資料を用いたトライアングル社の研究」。映画史をかじった方には蛇足だろうが、インス、セネット、グリフィスを擁し、超大作『イントレランス』や『シヴィリゼーション』を発表しながらも短命に終わったアメリカ初期映画の最重要プロダクションの一つである。まず、アメリカやフランスの研究機関に同社のどのような資料が所蔵され、これまで同社に関するどんな研究がなされてきたかをヴェルネ氏が詳説。続いて、同氏の教え子である学生さんがさまざまな資料(製作費計算書、フィルム輸送依頼書、挿入字幕作成指示書、染色箇所指示書など)をプロジェクターで提示しながら同社の映画作りの実務面(それは世界の映画産業の発展そのものである)について発表し、とても刺激的だったのだが、その5倍ぐらいヴェルネ氏がしゃべるので彼がちょっと可哀相だった。

13年ぶりにフランソワーズ・アルヌールさんに再会して昼食をご一緒した。とてもお元気そうで嬉しかった。いま思い出しただけでも胸が詰まりそうなので、今日の日記はこれで終わりにします。