映画雑誌語で話す

ナタリー・ブナジャムさん率いる印刷物部門へ。「印刷物」とはいったものの、書籍や雑誌のほかに図書室で視聴するためのビデオ&DVD(ブルーレイには懐疑的だそうです)、ウェブマガジンやウェブデータベースも範疇に入る。ここは6人体制だが男性はお一人だけ。私が"CINEA-CINE"とか"POUR VOUS"とか戦前フランスの映画雑誌の題名を挙げたら雑誌担当のお二人が大層喜ばれ、ベルシー最深部(?)のせまーい秘密部屋へ連れてってくれた。あえて言えば「初期映画雑誌修復室」か。開館してまだ3年ちょっとなのにこの部屋だけ埃っぽい匂いがする。二人がかりで楽しそうに説明してくれるので、こちらもニホンの大正期の映画雑誌のことをあれこれと話した。

日本の映画ウェブマガジンや映画データベースを教えてくれませんか、と言われたのでいくつかお教えした。"FLOWERWILD"なんてのも紹介した気がする。そこへちょうど日本映画なんでも知りたいセバスチャンが現れたので、"FLOWERWILD"のトップページにある瀬川昌治監督の写真を指差して「日本の信頼できるシネフィルが再評価した偉大な喜劇監督ムッシュー・セガワ」と言ったら、忘れないようにか"SEGAWA, SEGAWA"と言って去っていった。こんな場所でも布教してます。