キッズ・レイトショー

さすがに身体が休めと言っている。今日は、東京との仕事上のやりとりをしたり来週以降の予定を調整した以外は、散歩と買い物に費やした。引き続きスーパーマーケットが楽しくてたまらない。パリは19年前に比べて日本料理店が異常に増えている。リュクサンブール公園近くのムッシュー・ル・プランス通りなど、短い区間に4つも日本料理店が並んでいてちょっと異様な光景。マノーニさんの"HISTOIRE DE LA CINEMATHEQUE FRANCAISE"(シネマテーク・フランセーズの歴史)をようやく60頁ほど読み終える。ようやく創立のところで、先はまだ長い。映画の発明者を簡単に「リュミエール兄弟」とは言えないように、フランスのシネマテークの始まりも簡単に「ラングロワの仕事」とは言えないことがよく分かる。1910年代からさまざまな試みがあったわけで、歴史記述の重層性が問われているのである。

支那海』@アクション・クリスチーヌ座。監督がテイ・ガーネットと聞いただけで行きたくなりますよ、そりゃ。映画が物語を語っているだけでゴージャスだった時代の、充分にゴージャスな産物。香港からシンガポールに向かう客船の船長クラーク・ゲーブル、その追っかけ愛人ジーン・ハーロウ、そして船上で偶然再会した昔の恋人ロザリンド・ラッセル。この三角関係に海賊の襲撃がからみ、さらに臆病者の老船員が海賊を撃退する大奮闘へと進んでゆくのだが、「映画はこう語ってゆくもの」という揺るぎない自信に降参。22時の回で客席はやはり年配の方が多かったが、父親に連れられた3人の小学生がいて、この年でこんな映画楽しんじゃったらこの先どんな大人になっちゃうのと思うよ。