ママたちのシネマテーク

図書室課のヴェロニク・ロシニョール課長のもとで映画図書館について学ぶ日。その前に、ヴィニョ文献管理課長からシネマテークの組織図をいただいた。200人以上いる(!)職員のなかで「課長」(Directeur/Directrice)と名のつく役職は20あるが、うち男性が占めるのは7つで、あとはすべて女性。非フィルム部門に至っては男性課長はマノーニさん(この方は部長格でもありますが)だけで、つまりシネマテーク・フランセーズはママたちに支えられていることになる。本質的に男性優位の歴史を背負ってきた映画という分野を考える時、このことは大きな意味を持っているのではないか。

現在のフィルムセンターの図書室は「基本的に閉架、ただし貴重書もすぐに閲覧可」となっているが、そこには、いつでも誰でもすごい文献がすぐ見られますよ!という一種の理想主義がある。一方、シネマテークの図書室は「全開架、ただし貴重書はパリ郊外の保存庫の中、見たければ2日前までに申請してね」が原則。まあ合理主義と呼べばいいのか、普通の研究書とかはどんどん閲覧してちょうだい、でも「すごい文献」を見る必要のある人は少ないでしょ?というわけ。そしてその考えのもとに、研究者には研究者向けの別の閲覧室(Espace Chercheurs)が用意されている。こういうシステマティックな発想が新世代のシネマテークを象徴しているように感じられる。

週末から、降ったり止んだりとはいえかなり過ごしやすい気温に。スーパーマーケットに行くのが楽しくて仕方がない。