シャイヨー宮の地下の地下?

午前、人事課のトマ・フロランタンさんのところでヒアリング。研修が無事に進んでいるか、私の職務内容と研修がマッチしているかを確認するためみたい。ちゃんとそういうのがあるのね…。まあ、半分雑談になってしまったが。

そして今日は機材部門の最終日。映画機材にまつわる資料の収集についての調査。これ、ニホンでは手をつけた人のいない分野だと思う。欧米のものが中心だが、各国の機材メーカーのカタログや文献コピーを集めたファイルが、アルファベット順にずらっと並んだ様は壮観。それにしてもこの約4000という機材類、1997年に国立図書館に引越しするまで旧シネマテークのどこに置かれてたんですか?と質問したら、担当のロール・パルショメンコさんは「シャイヨー宮の地下です」。「そもそもシャイヨーのシネマテーク自体が半地下じゃないですか」。「さらにその地下です」。そんな空間があったのか。ちなみに、シネマテークのベルシーへの移転が決まったのはこの機材類の引越しの後で、セーヌをはさんでぴったり向かい合っているのは単なる偶然とのこと。さらに、その後ちょうど直線で行き来できるような歩行者用の橋までできて便利便利、という話だそうだ。

今日の17階は、初期ゴーモンの資料とにらめっこしている映画史家さんや、プラクシノスコープの円盤をせっせとスキャンしているおじさんもいて、少しだけにぎやかだった。帰り際に、日本映画史の「天活」の項で必ず出てくるのに本物を見たことがない英国製「キネマカラー」の映写機(当然ウィル・デイ旧蔵です)を出してきてもらった。ちゃんとカラーフィルターも入っていて興奮。主な機械であれば、保存庫のどこにあるのかマノーニ部長はほぼ記憶しているようだ。紛れもなくここはローラン・マノーニの宇宙です。