2013/06/22

東映スチルマン遠藤努さんのお話から。
「むかしオランダにレンブラントという画家がいてね。彼は人をいちばん美しく描くための光の当て方を考えたんだ。まず後ろ斜め45度、上からも45度の角度で光を当てる。そして正面からも光を当てる。それはスチルでも同じでね、後ろ斜めの光を1として、正面からの光をその2分の1にすると、女優さんがいちばんきれいに見えるんだ。男優さんだったら、それを3分の1にする。そしてやくざ映画の時は、4分の1か5分の1。影が大事だからね。レンブラントは照明じゃなくて窓の開け閉めで調節したんだけど、でも、レンブラント・ライティングは日本の映画にも生きているんだよ」
「いいスチルを撮るには、撮影の前にまず準主役をさっとつかまえて、『お前、どのシーンで命を賭けた芝居するんだ』って先に聞いておくんだ。そこを狙うんだよ。準主役がその気だと、主役だってその気になるだろ?」

そんなお話に感激した日に、目の前でリュディヴィーヌ・サニエとルー・ドワイヨンを見るのは精神的にあたふたします。