2013/02/04

ホーリー・モーターズ』。ドニ・ラヴァン七変化。というより十一変化か? これだけメイクと衣裳を頻繁に替えられると、スクリプターも大変そう…。ラスト10分だけでドゥミー+カサヴェテス+フランジュの映画を想起できるが、そんな引用の指摘など意味がないほどカラックスのフリーハンドが楽しい。どこまで笑っていいのかちょっと悩ましいが、まあ「ドリフ大爆笑」だと思って笑えるところはドカーンと笑えばいい。昔からのズレまくった音楽感覚も、今やもう立派な芸ですね。

1962年のアルゼンチン映画『奇数の暗号』(マヌエル・アンティン)@アルゼンチン大使館。ちょうどフリオ・コルタサルの原作を読んでいたところで、何という奇遇か。優れた文学の映画化にありがちな、台詞の消化に汲々としている感じは否めないものの、特に夜間シーンの撮影と照明が素晴らしく(画質いまいちのDVDでしたが)、1960年代アルゼンチンのスタジオワークの高水準を思い知る。なお舞台は、コルタサルらしくブエノスアイレスとパリ。アルゼンチン映画初のパリ・ロケーションだそうです。