2013/01/26

記録映画アーカイブプロジェクトのワークショップ「フィルムを捨てないで!〜記録映画の保存と活用〜」@東京大学福武ホール。会場はびっしり満席。まず記録映画保存センターの提供による、東京を主題にした5本の記録映画を上映。これが一本一本映画史の盲点をくすぐる面白い映画ばかりだったが、しかし今日のクライマックスは、やはりその後の3つの報告と全体討論。その重々しくも衝撃的な展開は、ここでは書き切れません。ただ、コダックの破産、富士フイルムの主要フィルム生産停止、日本電子光学工業の倒産、国内現像所の事業再編という映画の基本インフラの転覆を体験した「2012年」を踏まえ、リアリズムと唯物性に徹した議論を通して、私たちの誰もが「映画保存」という責務を突きつけられているという認識を共有したことだけは確か。もはやフィルム・アーカイビングは政策の問題であり、法制の問題である。日本の映画保存史の転換点、と後に言われたとしても決して不思議ではない、そんな半日を過ごした。