2012/09/02

締め切り原稿だの集中講義だのなんやかんやの責務からとりあえず解放された本日、まず「田村彰英 夢の光」展@東京都写真美術館。米軍基地のシリーズにしても、やけに傾いている新橋の家にしても、横浜ベイブリッジオウム真理教サティアンにしても、関心のありどころから見える率直な作家像が好もしい。黒澤明に気に入られるのも分かる気がする。

川崎市市民ミュージアム「日活創立100年記念資料展」。会場は無料のアートギャラリーだが、まず入口ロビーに噂の『嵐を呼ぶ男』ドラムセットが。というわけで、展示も日活撮影所の小道具や衣裳がメイン。賭博シーン用サイコロとか、『銀座の恋の物語』で使われたパレット(石原裕次郎は画家の役柄)などはちょっと羨ましいと思ったり。濱谷浩展も見て去る。

夕刻は、やっぱり来てしまった東京国立近代美術館「14の夕べ」より、大友良英アンサンブル! メンバーは屋内、屋外ばらばらに散って同時多発的に演奏。ミュージシャンの動きに従ってぞろぞろとついてゆく人、ただ逍遙する人、芝生の上に転がっている人、スタジオ・ムンバイ「夏の家」でくつろぐ人、みんなゆるゆると時を過ごしている。なぜか凧が用意されていて、宙を舞ったり2階からぶら下がったりしているのだがこれも実は楽器で、電子音を出しながら、夜になれば光を発し始める。突然ガラスウィンドウの前にアンプを運び込んで、ギターソロを始めた大友さんのかっこ良さに唸った。チャンチキトルネエドの鈴木広志さんもいらしたのに気づいた。内も外もなく、美術品の展示場という本来の機能から自由になった空間が生まれている。昨日とは違うリラックスムードもまたよし。