2012/07/07

ギャラリートークは、東宝東和の誇大宣伝に嬉々として騙された世代の皆さんで超満員。竹内さんのトークも快調、展示室はノリノリな空間となった。フィルムセンターが史上もっとも「映画秘宝」に近づいた瞬間だったかも知れない。東宝東和が勝手につけるカタカナ邦題、『サンゲリア』はお酒のサングリア、『ミスター・ブー』は高木ブー氏がヒントだったそうで。そして、大したことないのに大ヒットさせた作品は「結果大作」。いい言葉だ。あと、宣伝のカギとなるワンカットは「キラー・ショット」という。例えば、『カランバ』の腕がちぎれるショット。そしてヤコペッティの1970年代の衰退は、「残酷」を謳うわりにキラー・ショットが不在だったことが大きい、との的確な分析。

終了後、東宝東和の無数のポスターを手がけられたデザイナー檜垣紀六さんによる、映画宣伝デザインのレクチャーが自然発生的に始まった。題名文字デザインの奥義が開陳され、展示室はますます幸せの空間になったのだった。