2012/06/24

ミッドナイト・イン・パリ』@新宿ピカデリー。最前列しかない?まったくオーケーよ、とチケットを買った瞬間に売り切れの放送が。そうでしたか。爺さんになったらアクが抜けて逆に映画が楽しくなった監督、といえば1位はウディ・アレンか、またはアラン・レネか。純文学志望のアメリカ人脚本家が憧れのパリへ行くが、毎晩婚約者そっちのけで1920年代へタイムスリップ、ヘミングウェイやらフィッツジェラルドやらダリやらと交流できて天にも昇る心地。実にバカバカしい筋立てなのだが(彼を尾行する探偵の末路は思い切り笑った)、ロマンティック・コメディは死なず。特に歴史上の人物を演じた連中が、生真面目風のルイス・ブニュエルも含めてみんながみんな楽しそうに演じているのがいい。ウディ・アレン、『皆殺しの天使』には思い入れがあるようで。

小笠原正勝映画ポスター展「POSTERS 紙々の深き欲望」、最終日も訪れてみる。業界のさまざまな方々と対面。今日は主に題字のことを小笠原さんに伺った。『旅芸人の記録』も『木靴の樹』も『メロ』も、ポスターの手書き文字とともに映画を覚えている。あといい話だなと思ったのは、『リスボン物語』は当初「リスボン・ストーリー」という邦題になるはずだったが、ヴィム・ヴェンダースが「モノガタリ」にしないと日本配給は認めないと言ってきて、この題に決まったそうだ。さすが小津びいき。