2012/06/06

今日は終日相模原分館にいたおかげで、昼休みの一瞬の晴れ間に、しかも宇宙科学研究所の敷地で、金星の太陽面通過を見ることができた。さすが宇宙研のスタッフ、太陽面の画像を箱の中に投影する装置まで準備していた。

ビデオソフトが出現した1980年代から90年代にかけて、アフリカのガーナではビデオの巡回上映が盛んだったという。上映業者は、テレビとビデオデッキと小型発電機を持って村から村へと回ったが、宣伝のため地元の画家に油彩で大きなポスターを描かせ、それも持参していた。画家はほぼ完全な自由を与えられ、映画をより魅力的に見せるためなら、実際にないシーンを勝手に加えたりすることも日常茶飯事だった。印刷ではないからたった一枚だけ、複製はない。1990年代後半になると家庭にテレビが普及したため、巡回上映は下火になりこのポスター制作も終わった。アフリカの太陽と雨にさらされ、折られ巻かれて運ばれたポスターは、現在ではボロボロのものが大半というが、いまや芸術品としての価値を持つ。ヘタウマを超越した感動がある。