2012/05/28

『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』@渋谷ショウゲート。すでに世界的な人気を誇るヌードショーを、より高次の芸術にせんと奮起するダンサーと振付師とスタッフたち。フレデリック・ワイズマンだから2時間を超えても驚かないが、今年観た映画の中で体感時間は最短。現実には違うはずだが、上映時間の3分の1は女性のお尻が映っていたような気がする(大切なのはお尻で、胸はあまり問題ではないらしい)。いつものワイズマンと違うのは、バックステージよりもショーの成立過程にはっきり重点を置いていること。そして、後半に向けて、編集で盛り上げてゆこうとしていること。ラスト前、ひとりロシア語で、マイクに向かって恋慕のセリフを語るオーディションの娘さんが泣ける。クレイジーホースの控室は狭い。よくこんな場所で延々と撮り続けたものだ。ワイズマンも偉いが、撮影のジョン・デイヴィーこそ尊敬に値する。