2012/05/19

トークイベントはいつも以上の大入り、坂上直行さんのお話も豪快かつ繊細。映画イベントとして初めて武道館を借り切った『テンタクルズ』試写会、俳優ではなく犬の記者会見をやった『ベンジー』など、ヘラルド映画の名にふさわしい(ヘラルドとはさきがけの意味)あの時代の冒険的精神を感じ取れた。

で、実はその前に、早起きして「野口久光 シネマ・グラフィックス」展@うらわ美術館。展示点数約330点は、野口久光の展覧会としては史上最大規模。戦前の作品や占領期のイギリス映画ポスターなど、初めて見るものがいっぱいあった…。で、こうやって一堂に集めたこともすごいが、その前に、野口の作品歴を調べ抜いたことが感服に値する。1962年のフランソワーズ・サガン「さよならをもう一度」新潮文庫版・朝吹登水子訳(もちろん「ブラームスはお好き?」のこと。映画化のせいで原作本まで映画の題にされた)の表紙などはまさに調査力の勝利。

夜は知人のライター、マシュー・チョジックさんらの雑誌「Tokyo Verb Studio」の創刊記念パーティ@アーツ千代田3331。「おもしろい人に会いに行く」系雑誌の現在形。デザインがいい。健闘を祈ります。