2012/03/12

ただ呆然とテレビに釘付けになっていたあの日から一年。この一年の、不定形の映画のゆらぎにいちばん寄り添っていた場所は、オーディトリアム渋谷だったと思う。厳密には「映画館」ではなく、かといって自主映画スペースだと開き直ったわけでもない。その懐の広さが引き寄せたものは、これまでのような「映画らしい映画」の難しさでもあったが、それ以上に、撮る意志とそれを観たい人間との直接の接触があった。ここが震災でオープンを延期させられたのは象徴的でさえあったと思う。

スウェーデン短編映画の夕べ」@スウェーデン大使館。短篇映画界のベテラン、ペール・カーレソン氏と映画コメンテーターLiLiCOさんの対談形式だが、LiLiCoさんはテレビと同じくやっぱり元気。短篇にもいろいろあるがカーレソン監督はまさにショートショート専門、どれも3分以内で、カラいジョーク(というよりギャグ)を交えたものが多い。お訊きしたらもともとはサウンド・デザイナーで、若い頃にはジャック・タチ『パラード』の編集を(タチにクビにされた編集マンの代理で)手がけたこともあるという。好きな映画はベルトルッチの『1900年』とか。それは長いですねえ。