2012/03/05

『僕達急行 A列車で行こう』。久々に行ったが、社員の方々が普通に働いているオフィスを通らなければ入れない東映試写室ってやっぱりすごい。鉄道マニアといってもいろいろいて、瑛太は鉄工所の息子なので金属フェチとして鉄道を愛している。一方、松山ケンイチは不動産会社のマイペース社員、車窓を眺めながらヘッドフォンで音楽を聴くという楽しみ方。そんな二人が知り合って、二人にもそれぞれ人間関係ができていって、気づいたら周囲の問題をすべて解決してしまった(ただし失恋した)という一種のおとぎ話。リアリズムで充分やれるのに、台詞回しにしても人物作りにしてもそれを踏み外し、人工性を漂わせようとする。日常会話なのに口語的でなかったりする。そして、職場のラジオ体操のシーンには『そろばんずく』を思い出したり(松坂慶子社長の体操が可愛らしい)。森田芳光は、最後まで森田芳光の映画を撮った。