2011/11/26

池田監督トーク、真っすぐな思いの伝わる語りと和やかな空気のうちに終了。

開高健ロマネ・コンティ・一九三五年」読了。小説家と会社重役が、日曜午後遅くのレストランで2本のワインを開ける。片方は若い酒、もう片方は最高級酒ロマネ・コンティ、この時点で37年物だ。若い酒をじっくり堪能してから、緊張の中でロマネ・コンティを味わうが、すでに失望の味に変質していた。だが面白いのは、小説家の記憶の糸がその失望の中からぐっと伸び始めたことだ。パリのカフェで知り合ったスウェーデン女の思い出から、横溢する好奇心と、その背景にあるどんより濁った世界が見えてくる。

早稲田大学演劇博物館「日活向島と新派映画の時代展」チラシを拝受。いまナント国際映画祭では日活100年特集が始まっているが、この展覧会もまた日活100年のプロローグである。いまや想像することさえ難しい向島撮影所がどのように浮かび上がってくるか、楽しみである。