2011/10/16

古書店の100円コーナーに「自選自解 安住敦句集」を発見。安住は自分の境遇を詠む俳人なので、苦労人であることは句からすぐ分かる。それは時に自虐的にも見えたりもする。だから前々からそれを自解で読んでみたかった。案の定、敗戦後の貧窮や悲哀を描きつつも、謙虚で篤実な人柄のにじみ出た文章である。師匠への敬愛の念も強い。そのくせ、53歳になってからNHKラジオでディスクジョッキーを一年間務め、そのままラジオドラマ界で活躍したと年譜にあったのが意外で面白い。