2011/08/24

毎年恒例ながら、博物館実習の学生さんを迎えて資料整理をやっていただく。脚本の書誌データ取りとスチル写真の現物ナンバリング。

夜、サントリーホールで、フィルムセンターが共催している上映会。溝口健二『瀧の白糸』に現代音楽作曲家望月京氏の音楽を重ねたもので、ハープ、パーカッション、ヴァイオリンなどの洋楽器に、箏、三味線、尺八を組み合わせたという意味ではこれも「和洋合奏」か。もとはルーヴル美術館の委嘱により作曲されたスコアで、初演もルーヴルの講堂(2007年)。その後ヨーロッパ各地で上映&演奏されたが、4年かかってやっと日本初演となった。現代音楽は日頃ほとんど聴く習慣がなく、無声映画にどうアプローチするのか想像もできなかったが、いざフタを開けてみると違和感のなさに逆に驚いた。「音楽」よりも「音」自体への志向が強いせいか、かえって個々の場面に沿った具体的な「音」の演出が目立ち、さらにクライマックスのシーンを無音にするに及んで、これはこれで映画への敬意だろうと理解できた。終了後赤坂方面へ移動し、映画研究者の崔盛旭さんとMG大学院の阿部さんと一杯だけビール。某大女優のお孫さんの話で盛り上がる。