2011/07/13

昨日かなり強い印象を受けたのは、新長田駅周辺に3年前よりずっと活気があったこと。震災から16年。「鉄人28号」の巨大モニュメントも、それなりに街に溶け込んでいる感じがした。

夏の姫路。空間の広がりを感じるいい街だ。大修理中のお城の向こう側にある兵庫県立歴史博物館へ。学芸員の香川さんから、「入江正彦コレクション」のうち光学玩具や映画に関わる品々の一端を見せていただく。江戸時代の遊具からポケモンゲームまで、子ども文化にかかわる品約11万点からなるこのコレクションは世界的に見ても有数のものだろう。『桃太郎の海鷲』のポスターなんてのも他では見たことがない。レフシー紙フィルム用の映写機とか、もう一つの紙フィルム「カテイトーキー」とか、現物を見たことのないものも多くて興奮する。ほとんど未使用と思われるうつし絵の道具一式なんて、残存していること自体が奇跡に近い。兵庫県手塚治虫横山光輝、遡れば立川熊次郎(立川文庫創始者)も輩出し、児童文化に貢献した人の多い県だそうで、ここに収まるのもしっくりくるのかも知れない。

そのまま歩いて姫路文学館へ。この館とは、郷土出身である阿部知二の原作による『冬の宿』(豊田四郎)のフィルム発掘のことでつながりがある。アポイントメントなしだったが学芸員の甲斐さんに再会、わがままを言って常設展を見せていただく。若くして自殺した歌人岸上大作の絶筆原稿があった。薬を飲んで死ぬまでをぎりぎりまで文字に残そうとするすさまじい自己顕示欲。

東京へとんぼ返り、たまった仕事をこなす。夜は、一箱古本市の知人らとともに「古書ほうろう」の宮地さんを囲む会。楽しかったがさすがに今日は疲れている。