2011/07/09

ミニシアターから邦画へ、そしてハリウッド大作も。映画業界の変貌を受け止めながら、四半世紀にわたってパンフを編集し続けた佐々木淳さんのトーク。この仕事について人前で話をした経験はないそうだが、実務の蓄積を感じさせる誠実な言葉に魅了された。劇場でパンフを買う習慣が失われつつある昨今、パンフに何を期待するかという佐々木さんからのご質問にも機敏なレスポンスが寄せられた。充実したプロダクション・ノートが読みたい、というご意見には私もうなずいた。そして私から、佐々木さんの代表作は?という唐突な質問を差し上げたら少し悩まれていたが、諏訪敦彦さんの『M/OTHER』のパンフを挙げられた。所蔵を調べたらフィルムセンターにはなかったので、他で探してみよう。

夜、飯田橋でジャン=フランソワ・ロジェさんらとお会いする。昨晩は、「恐怖映画シンポジウム」の後そのまま朝まで飲み続けたという。2007年の初来日から数えてもう5回目という加速ぶり。今回の来日は、シャブロルやシンポジウムの他に、日活百年特集の打ち合わせが主な目的。あちらのシネマテーク関係者の裏話いろいろ。「カイエ・デュ・シネマ」の日本の自主映画の記事も当然お読みになっていて、やはり『サウダージ』が気になっているようだ。