2013/11/16

そう言えば、初日に行ったのに書き忘れていた(FBだけで書いていた)「ユートピアを求めて ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム」展@神奈川県立近代美術館(葉山)。圧巻! 70%は映画ポスター展と言っていい内容だが、クルツィスの政治スローガンポスターの熱量もすさまじい。なお、図録中の映画邦題の調査に協力したのでクレジットしていただいてます。

以下、まとめ。とにかく海岸通りのバスに乗って葉山へ行きましょう。
*昨年亡くなった「BA-TSU」創業者松本瑠樹氏のコレクション、オークションで一つ一つ集めただけあって状態のいい品ばかり
*松本氏のステンベルク兄弟への愛情には泣かされる
*ルクレフスキーと組んでいた時代のステンベルク作品、やや絵画的なのもこれはこれでいい
*実はどれもこれもアヴァンギャルドとは限らない、その緩みの理由にも迫った解説がとても適切
*フィルムセンターの袋一平コレクションとの重複が少ない(!)
*同じ松本コレクションなのに、2001年東京都庭園美術館でのロシア・アヴァンギャルド展ともわりと重複は少ない(あの時なかったポスターが今回ある、つまりその後も買い足していたようだ)
*『戦艦ポチョムキン』ポスター4種類が揃った(ロトチェンコ2種、ステンベルク1種、ラヴィンスキー1種)、世界的にもこれはすごいはず
*クルツィスによる政治ポスター、まとめて見ると頭が沸騰しそう
学芸員籾山さんによる、ポスター隅に記された番号から制作年を割り出す最新研究が地道だがかっこいい(袋一平コレクションにも早速導入したい)
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2013/utopia/index.html