2013/08/04

久々に「ナイアガラ・トライアングルVol.2」。大瀧先生の『オリーブの午后』もたまらんが、杉真理の曇りのないポップセンスに改めて感服。『夢みる渚』アレンジも絶品。映画でも、こういう「30年ぶりの再会」をしたいものだ。

『共喰い』試写。青山真治作品では、しばしば仮想の「コミューン」の成立が描かれてきた。『サッド ヴァケイション』は言うまでもないし、『東京公園』では同じ公園に居合わせるだけで人々はもう一つの「コミューン」であるかのようだった。だが『共喰い』にあるのは、抜けようにも抜けられない血の「コミュニティ」であり、それと少年が格闘する過程に、むしろ映画の先祖帰りを一つの挑戦として取り組む演出家の覚悟が見える(プレスの中でもロマンポルノの再現だと語られていた)。なぜだか、菅田将暉の身体の線ばかりじっと見てしまった。そして田中裕子が義手を外す時のすっぽ抜けた音が、のちに分かってくる彼女の演技の凄みを増している。