2013/04/25

こんな酒とクスリ漬けの、ビキニ娘とモッコリ男の狂乱の日々がかの国の大学生の春休み旅行なのか!と思うと某政府間交渉がますます不安に思えてくる『スプリング・ブレイカーズ』。世界観というか、ハーモニー氏のやりたいことはほぼ全部分かる。フィルム撮影の時代を完全に振り切った色遣いも、時制をあえて混乱させる編集も最高。ただストーリーテリングがちょっと雑ですかね。スローモーションとかも。ジェームズ・フランコの芝居は、変な表現だけど気色悪さが正確無比の素晴らしさでした。

神戸大学の「美学芸術学論集」、19世紀フランスにおける写真著作権をめぐる橋本一径さんの論考が面白い。写真は絵画と違って機械的複製だから撮った人間に著作権はない、むしろ個人の肖像写真などは撮られた人のもので、つまり今でいう肖像権の方が強かった(!)。ところが、芸術的な写真だってあるぞという主張が強くなると、芸術か否かという判断の任務は法廷に委ねられ、何やら奇妙な定義が登場(!)。そこから先の、冗談のようにスリリングな展開は、ぜひ手に入れてお読みください。