2013/03/14

噂の「小津人形」を一目見たいと「与勇輝展 物語のなかに」@川崎市市民ミュージアム。ありましたありました。防波堤に座る『東京物語』の老夫婦。テレビを買ってよとすねる『お早よう』の兄弟。脚本を持って立つ小津本人(その脚本が結構精巧)。高橋豊子も三宅邦子もいた。単ににやにやと眺めるのが正解なんだと思う。小津以外では『リラの門』のピエール・ブラッスールなんてのも。24日まで。

ジャンゴ 繋がれざる者』。2時間45分飽きることなく観られたが、この映画は一体どこへ向かっているのか。この題名にもかかわらず、マカロニではなくて、西部劇ですらなくて、実は『イングロリアス・バスターズ』の磁場をまだ引きずっている。マカロニの思想とは「ヨーロッパなのにアメリカを擬装する」だが、この『ジャンゴ』ははなっから「アメリカに侵食するヨーロッパ的教養」が前提。なんで南部なのにダルタニャンでジークフリートなのか、無理っぽい細部の多い脚本だが、サミュエル・L・ジャクソンの芝居が圧巻なので良し。