2012/07/16

「マクリヒロゲル、粟津潔の世界」展にもう一度行った。そう志したつもりはないのだが、野口久光・小笠原正勝・粟津潔の展覧会はどれも2回ずつ行ったことになる。粟津図案によるシルクスクリーンのTシャツをその場で刷らせていただいた。

岩佐寿弥監督特集で久しぶりに『眠れ蜜』@アップリンクX。3人の女優をフィーチャーしたこのオムニバス映画は、よく見ると「2・3・1」の映画である。つまり根岸とし江(季衣)は「女優根岸とし江」と「根岸とし江」を演じる。吉行和子は「ドラマ『眠れ蜜』主演女優吉行和子」と「『眠れ蜜』撮影中の吉行和子」と単なる「吉行和子」を演じる。最後の長谷川泰子だけは、「長谷川泰子」でありさえすれば後は何も要らない。で、本日のトークゲストは吉行和子さん。久々にご覧になったというが、絡まり合う三つの「私」を求められたこの映画、心中に消化するのは未だに難しいようだ。それでもこの映画には「アヴァンギャルド」なる言葉に似つかわしくない軽やかさがある。特に自主映画を作っている人に観てほしい。