2012/06/16

むかし自分にとてつもない衝撃を与えてくれた映画を、そろそろ時に観直してみるべきかと思う。ジョン・カサヴェテス特集から『フェイシズ』。やっぱり衝撃的なのだが、一方でかつての自分は何を見ていたのかと深い自省の念にもかられる。シーモア・カッセルを除けばみんないい中年なのだが、男どもは例外なく愚かで、女たちはみんな壊れている。ナマの感情があまりに露出していて、心中に消化できない。

映画というものが、ここまで人の感情に肉薄できる形式であることが、この20年で忘れられようとしている。できることは、学生に宣伝することぐらいか。