2011/10/31

現在、ユネスコの「世界記憶遺産」に映画または映像記録として登録されたものは、リュミエールの映画(フランス)、アムンゼン南極探検記録(ノルウェー)、デスメット・コレクション(オランダ)、ソンム会戦記録(英国)、『メトロポリス』2001年復元版(ドイツ)、『オズの魔法使い』(アメリカ)、スミソニアン博物館が保存するアフリカ南部先住民の記録(アメリカ)、ノーマン・マクラレン『隣人』(カナダ)、ICAICラテンアメリカ・ニュース(キューバ)、『忘れられた人々』(メキシコ)、『ケリー・ギャング物語』(オーストラリア)。書き漏れ、あるかも。あと映像自体ではないが、映画関連資料としてイングマル・ベルイマン監督資料(スウェーデン)。ICAICラテンアメリカ・ニュースが、「ネガフィルム」と素材まで明記しているのが切迫感を与えてくれて興味深い。
http://www.unesco.org/new/en/communication-and-information/resources/news-and-in-focus-articles/all-news/news/calls_for_new_nominations_for_memory_of_the_world_international_register-6/

講義の後、試写で『永遠の僕たち』@ソニー・ピクチャーズ。この世の中、もう誰かが(たぶん「資本」が)初恋きゅんきゅん映画なんて禁じたのかと思っていたが、ガス・ヴァン・サントによって辛うじてきゅんきゅんは救われた。死を直前に迎えた少女(短髪のミア・ワシコウスカ一目惚れ)を主人公にしながらあまり苦くないタッチにしたのも、「ファンタジー」の一言で済ませるような逃げなしで成立している。二人の仲良しシーンで聴こえてくるスフィアン・スティーヴンスの曲もいい。加瀬亮は一応説明は避けておくが、まあいいでしょう。年の暮れはこれを観て、まだまだきゅんとできる自分を確認しよう。そのまま銀座に出てミキモト本店の「山村浩二展」。アニメーション映画を、一枚一枚の紙に還元した時に初めて見えてくる凄み。