2011/08/05

こども映画館『ピーター・パン』。ディズニー以前の実写の無声映画である。最初の登場人物は、ダーリング家の犬。明らかに着ぐるみを着た人間で、ここで子どもたちの視線をぐっとつかんでしまう。ストーリー以前の、なりふり構わぬやり口には「さすが」の言葉しか出ない。ネバーランドへ飛んでも子どもたちのノリノリはずっと維持され、活弁のおかげでスクリーンとの間にほとんどインタラクティブな関係が成立している。何年かやってると、イベントもここまで成熟するんだなあと感動。

で、仕事はそこそこにしてレイトショーの『死ね!死ね!シネマ』(篠崎誠)。最近いちばんよく行く劇場はひょっとしてオーディトリウム渋谷? 最終日だけあってお客さんに知人多し。そして冒頭シーンの客席にも知人多し。で、その多くが血みどろに。両脇に通路のない、端っこまで椅子を並べた劇場が急に怖くなった。自主映画なんて人を搾取するだけだ、という開き直ったような台詞を、この映画の若いスタッフの方々はどんな気持ちで聴いていたのか…。そしてそして、『殺しのはらわた』はやっぱり純度の高い傑作だった。