大雨のなか「松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて」開会式@世田谷美術館。昨年の、あの広々とした神奈川県立美術館葉山の空間を埋め尽くしたあのポスター群、世田谷ではかなり展示点数減少では?と思っていたら、学芸員さん「全部入っちゃいました」。必殺技、禁断の三段掛け! ポスターだから許される展示方法です。これがまた会場の迫力につながるんだから面白い。社会を変えれば芸術も変わる、芸術を変えることで社会も変わるという意識で作られた作品の熱量に、今回も圧倒された。

生前の松本瑠樹さんご本人のインタビューが収められた1997年のTV番組「幻の赤を求めて」がモニター上映されている。必見です。

2014/10/02

学校から親への<生徒欠席の通知書>。「貴殿ラシュネー家のご子息は、本日の午後、本校に出席していません」。下の方に先生の手書きで「この生徒はトリュフォーという仲間と一緒に町をうろついていたと思われる。厳しい罰を与えてください」。10月8日からシネマテーク・フランセーズで始まるフランソワ・トリュフォー展の展示品。

2014/09/30

「ブログどうした?」と友人に言われた。ネットの活動はほとんどFBに移行し、そっちは元気なのだが、結果このブログは寂しくなってしまった。それでも今日はいくつかのことを。

(1)
今どきフィルム製造始めるぞ!と宣言した新生フェラニア社が製品を発表。写真フィルムは青パッケージ、映画フィルム(16mm、8mm)は赤パッケージ。地味かわいい。なんか絵はがきも売ってるようだが、"Postcard from Italy"って、それベイルートの曲名だろ。
http://www.filmferrania.it/kickstarter/

(2)
『フランシス・ハ』@ユーロスペース。『イカとクジラ』よりもっとスマートになった。86分というサイズを意識したまとめ方が好印象。酒でよく失敗をしでかす、それでいて時々変に意固地になる、そんな女性はとりわけ見逃さぬよう。それにしても、この公開はトリュフォー映画祭の序奏だろうか? トリュフォー映画の音楽をあられもなく再利用しまくってる。ドルリューだけじゃなく、デュアメルもコンスタンタンも。しかもあんまり画面に合ってない…。まあ、ボウイの「モダーン・ラブ」を『汚れた血』みたいに使ったのは、いい加減にしろとは思ったけど、それほどいやな感じはしません。

(3)
鎌倉市川喜多映画記念館「淀川長治 映画の部屋」の最終日にどうにか滑り込んできた。映画評論家についての展覧会は難しいだろうと思っていたのだが、チャップリンから現代まで、ポスターとともに示される淀川さんの言葉がスルスルと読めてしまうので、「読む展覧会」としてかなり楽しめた。1940年に大ヒットさせた『駅馬車』の広告の「驛馬車」という描き文字も淀川さんが書いたとか、自宅に来たゴミ収集の人と前日の「日曜洋画劇場」の話で盛り上がったとか、1987年から亡くなるまで住んでいた全日空ホテル34階スイートルームの写真(撮影は篠山紀信)とか、くすぐりもなかなか利いた企画。館の方にお聞きしてみると、とても若いお客さんの多い展覧会だったそうだ。
しかし、お勧めしようにも、会期は終わってしまったのでした…。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

(4)
60年にわたり映画資料を収集されてきた北九州の映画資料館「松永文庫」の松永武さんと「スポーツニッポン」九州版(9月21日)で対談をしました。掲載紙が送られてきてびっくり。見開きだった。

2014/09/02

名画座かんぺ」9月号、フィルムセンター配布分の特別付録として「京橋界隈カレー店MAP」をつけていただきました。新たなカレーの町京橋、デザイナーさんや京橋リピーターの方々の協力を得て、日頃の調査がついに形になりました。総計15店。うちインド系7店。お店の評価は私に直接聞いていただければひっそりお話します。

2014/08/28

本日、ジャック・ドゥミ展開幕。ウェブマガジン「週刊てりとりぃ」(フリーペーパー「月刊てりとりぃ」の広報媒体でもあります)にドゥミ展のあらましを書きました。どうぞご一読ください。縦書きです!
http://weeklyterritory.blogspot.jp

2014/08/16

世界の映画批評家映画作家が選ぶBFIのオールタイム世界ドキュメンタリー映画の選出結果。やはり『カメラを持った男』なのか。日本作品の最高位は『ゆきゆきて、神軍』の23位。次が今村昌平『人間蒸発』。
http://www.bfi.org.uk/sight-sound-magazine/greatest-docs-full-poll/

映画の中のシェルブールの傘屋さんは、今はパッチワーク専門店だそうです。