2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

文豪現る

先日ちょっと覗いてみた、フランソワ・トリュフォー映画図書館を正式に訪問。ベテラン司書のジョスリン・ル・ダルズさんに案内していただく。ピンクと赤を貴重にした派手な内装からはやや想像が難しいが、ここもパリ市の長い図書館運営史の蓄積の末にできた…

ストライキに愛される

今日はフランス全土でゼネスト。1995年11月にパリへ出張した時も今や伝説とも呼ばれている大ストライキに直面したので、ストとはちょっと縁があるのかも知れない。スト突入24時間前にネット上で各路線の運行予測が出る、と聞いたのでそのデータを分析しつつ…

特別な一日

朝、ベルシーに来ていきなり知らされたのだが、シネマテーク統合前のBIFI前館長マルク・ヴェルネ氏が主宰する研究会があるというので午前中だけ参加した。今日が第1回だそうで、テーマは「映画資料を用いたトライアングル社の研究」。映画史をかじった方には…

映画雑誌語で話す

ナタリー・ブナジャムさん率いる印刷物部門へ。「印刷物」とはいったものの、書籍や雑誌のほかに図書室で視聴するためのビデオ&DVD(ブルーレイには懐疑的だそうです)、ウェブマガジンやウェブデータベースも範疇に入る。ここは6人体制だが男性はお一人だ…

日々のプチプチ

クロード・ベリ追悼上映『老人と子供』@マクマオン座(19年前に僕はこの劇場で撮影監督フィリップ・アゴスティーニに会ったことがある)。ミシェル・シモン最後の輝き。ルノワールの『ピクニック』に敬意を表していることがよく分かった。調子を抑えたナレ…

郊外はクレイジー

郊外のアルジャントゥイユ市で毎年恒例の「映画市」をやっていると聞いたので足を運んでみた。こういう行事、周囲に事情通がいないと存在を知ることもできないのでラッキーだった。そこへ行く列車は市内のサン・ラザール駅から出るが、いま住んでいるカルチ…

キッズ・レイトショー

さすがに身体が休めと言っている。今日は、東京との仕事上のやりとりをしたり来週以降の予定を調整した以外は、散歩と買い物に費やした。引き続きスーパーマーケットが楽しくてたまらない。パリは19年前に比べて日本料理店が異常に増えている。リュクサンブ…

「私はたった一人でした」

非フィルム部門の収集部長、マリアンヌ・ド・フルリーさんについにお会いできた。現在のシネマテークの最古参で、30年前は誰も見向きもしなかった非フィルム部門をたった一人で立ち上げた伝説の方である。アンリ・ラングロワ本人を知る恐らく唯一の現役職員…

表札はタツノオトシゴ

根っからの貧乏性で、せっかくの機会だからと毎日何かを自分に付け加えないと気が済まない。昨晩も実は名画座でデルマー・デーヴィスの『潜行者』を観たのだが、あんなサスペンスたっぷりの映画で30分以上も眠ってしまった。ボギーさんバコールさん申し訳あ…

シルヴェット・ボドロ監督

アルシーヴ(ARCHIVE)という語は広義にも狭義にもさまざまに使われ得るが、シネマテーク・フランセーズの組織内では、「スチル写真」「ポスター」のような目的別の分類になじまない個人資料・団体資料を指している。ニホンだとフィルムセンターにも衣笠貞之…

なみおかinパリ

朝は、東京から届いたメールにまとめて返事を書く時間。これをこなしておかないと、すっきりした気分で出勤ができない。早くお邪魔してみたかったポスター&デッサン部門へ。責任者のジャック・エロールさんは温和で面倒見もよく、部下のセバスチャンさんと…

ママたちのシネマテーク

図書室課のヴェロニク・ロシニョール課長のもとで映画図書館について学ぶ日。その前に、ヴィニョ文献管理課長からシネマテークの組織図をいただいた。200人以上いる(!)職員のなかで「課長」(Directeur/Directrice)と名のつく役職は20あるが、うち男性が…

フランス男は色男…

「人は週末には休まなければならない」。こちらの週末にはそういう空気が漂っている。初めて来た19年前と比べれば日曜に開いてる商店は多いようだが、それでも人に仕事をさせない無言の圧力がある。というわけで今日は、パリご滞在中の専修大学の土屋昌明先…

ガザからスイスへ

自分の生存を第一に考えねばならない立場の人を別にすれば、今は誰もがガザの住民のことを考えざるを得ない時ではないか。ニホンでは「大きめの国際ニュース」でしかないが、こちらではもっと生々しい何かだ。私はこうして毎日映画のことを考えているわけだ…

シャイヨー宮の地下の地下?

午前、人事課のトマ・フロランタンさんのところでヒアリング。研修が無事に進んでいるか、私の職務内容と研修がマッチしているかを確認するためみたい。ちゃんとそういうのがあるのね…。まあ、半分雑談になってしまったが。そして今日は機材部門の最終日。映…

見慣れた一撃

昨日あたりからちょっとヘタレ気味。ペース配分を考え直します。日も暮れた頃、研修先の国立図書館を去っていったん部屋に戻り、一息ついてからフォーラム・デジマージュへ向かう。旧知の映画コーディネーター&プロデューサー、吉武美知子さんから試写のご…

17階の幻燈機

朝、パリ市役所のジャック・プレヴェール展へ赴いた。昨日イザベルさんから、いま資料を貸与している一例として紹介された展覧会だ。プレヴェールは詩やシャンソンを書いたり映画シナリオを書いたり絵を描いたりコラージュを作ったり大変忙しかった人なので…

ドゥミーの隣に座る

ニホンのニュースを調べてみると話題が相変わらず「派遣村」だったりするので、昨日単なる思いつきでコリューシュ関連の本を買ってみた。コリューシュのあれこれAからZまで、つまり「コリューシュ辞典」。フランス人なら知らぬ者のない人気コメディアン(198…

いきなり河野鷹思

ヨーロッパの一月だからまあこの程度は仕方ないか、と思える気温になった。独りじりじりとステーキを焼く夜半もまたよろし。昼食は、ポスター担当のセバスチャン・ボンデッティさんらとご一緒した。私がヴィニョ課長にお渡ししたフィルムセンターのソビエト…

ストローブ=ユイレ1割問題

11時40分、去年の東京国際映画祭で見逃したイェジー・スコリモフスキ『アンナと過ごした4日間』@MK2オートフイユ座。朝の上映は料金も安い。登場人物の顔つきがみんな最近のクローネンバーグ映画みたいに見えるが気のせいか。変態こそ純愛ならずや。14時、…

トリュフォー図書館

週末になった。まだ研修は3日しかこなしていないが、とにかく新鮮だったのはシネマテーク云々よりも、外国にある人のオフィスで終日過ごしているという事実。週末なので研修は休みになったが、もちろん私に休みなどあろうはずがない。というわけで、去年11月…

パッション・シネマ

昨日は生意気なことを言ってすみませんでした、ラングロワ先生。先ほど常設展"PASSION CINEMA"をぐるっと回ってきたのですが、やっぱりこのコレクションの厚みには何びともかないません。19年ぶりに『ひとで』のヒトデにも再会しましたし、初期映画の機械類…

映画資料語で話す

寒いってだけで話題が次々に出てくるぐらい寒いわけだが、見ていて実に痛々しいのが、カフェの建物内が法律で禁煙になったために無理にテラス席に陣取っている愛煙家の方々。しかもこのおじさん、生ビールを注文している!本日はまず資料課長のヴァレリー・…

ベルシー初日

ますます寒くなってきた。こんな気温がずっと続くのかと嘆息していたが、それでも段々と慣れてくるもの。管理人さんが電気回線を修理したらお湯がやっと出るようになった。この状況下で水シャワーだけは嫌なのでほっとした。6日の晩はファブリス・アルデュイ…

雪のパリ

到着時の気温は零度。雪が降っていたが今は止んでいる。集中できないため機上では映画の観られない人間だが、今回はなぜか2本も鑑賞してしまった。まずは昨年見逃した『おくりびと』。そして全日空便なのでまだやってた『ハッピーフライト』。「コメディ」だ…

いよいよ

明日出発です。朝からCSのハロルド・ロイドに熱中したかったが当然そんな余裕はなく、新宿の東急ハンズで旅行前最後のお買い物。夕方には荷物を作り終えた。ずっと行方不明だったレイモン・ボルドの"LES CINEMATHEQUES"が最近自室のすみっこで見つかり、必要…

謹賀新年

とりあえずブログのテスト。 ディーノ・ブッツァーティ「神を見た犬」を読みつつ年越しの瞬間を迎えた。雑煮を食べ過ぎる正しい新年を過ごしております。